FZ1000 Diary Part41b FZ1000 Diary Part41 The Index of FZ 1000 Diary HOME

         
   帰り
           
    翌朝。
 往きはよいよい帰りは長い。

 途中で、もう一泊して帰るという案に乗るか乗らないか、来る前から様子を見続けていたんだが、ここまで来て、高速で帰って、宴会連チャンというのも・・・

 それはそれでいいんだが、すぐ目の前に未完走の国道7号が横たわっているのに、何回も走る機会を逃している。

 しかし、そっちへ行けば、新潟まで走りきるのは夜中?

 悩んでみたが、今年は走ることにして、三田も樋田も見捨て離脱。
 11時半に走り出す。

 青森から大館までは10年近く前に走っている。
 大館に直行して、7号に入った。

 途中、峠越えをしながら気づいた。
 峠がヘタレなのはちゃんとシフトができてないからだ!
 日頃、スクーターに慣れきって、コーナー手前でシフトすることを忘れていた。
 峠を3000rpmで走ろうとしても、そりゃ曲がれないでしょ。

 それと、ウェストバッグを後ろに回していると、シートバッグと干渉して腰が引けない、体重が移動できない。そんなことに気づかないなんて、相当にボケてることが発覚した。

 やっぱり、バイクは距離を走らないとダメだわ。

 7号を目指して、少しは得るものもあったかもしれない・・・

 さて、問題の7号だが、7号に出るまでの区間を含めて、快調に進む。
 平野の真ん中をまっすぐに走る区間もある。交通量がさほどないこともあって、1時間半くらいで100キロほど稼いでしまった。
 新潟まで、残りは320くらいらしい。
 このペースなら明るいうちに新潟市内に入れるんだが?

 そのうち、ガソリンがなくなってきた。
 続けて2軒のスタンドを見過ごしたら、次が見つからず、昨日に続いて、リザーブも使いきりそうになってやっとスタンドを見つけた。ここからはレギュラーで走る。

 走ること以外に目的がないから、止まるあてがない。
 進行方向やや左の空に雲がある。と、思ったら八郎潟にかかるあたりで二度、小雨にあった。だが、あ、と思っただけですぐに止んだ。
 東北道を真っすぐ帰った組は、ほとんど雨だったらしい。

 八郎潟とか、秋田県内は、さすが米どころ。見渡す限りの田んぼが広がる。
 八郎潟を過ぎ、13号が分岐した後のバイパスを快調に走っていると、トンネル内で対向車線に白バイがいた。
 問題なく走り続けていると、さっきまでいなかったはずのバイクが後ろにいる。
 充分な距離があるうちに減速。標識がなにもないのだが、たぶん60キロ制限だろう。ゆっくり走りながら、何気なくきょろきょろしてみる。赤灯が点いたので、わざとらしくミラーを覗いて気がついたことを示すと、きれいにUターンして帰っていった。やぁ、おじょうずおじょうず。

 右手に海が見えだした。
 14時。明るいうちに、日本海の写真を撮ろうと止まれるところを探していると、道の駅「岩城」があったので休憩。

 そういえば、バイクが少ない。
 走っていてもほとんど見ないが、ここにも岩手ナンバーのドラッグスターが1台。こちらが出ようとしたころに札幌ナンバーのオフ車が1台来ただけだ。
 売店で、前にテレビで見た気のするご当地キャラクターのグレープソーダを見つけて買う。秋田土産はこれ1つ。

 また、2時間近く走り続けると、妙な形の岩が見えてきた。
 平たい烏帽子のような岩だが、横に琴平荘という民宿がある。そういう名前なのか?

 再スタートして、ペースダウン。
 トラックも増えてきた道をしばらく車の流れに乗って走る。
 都市部に入るたびに、渋滞が起きる。
 東京では普通なんだが、この辺ではすり抜けられのに慣れていないだろう。安全マージンを大きめにとって先へ進む。

 17時になり、ガソリン補給のついでに休憩。
 出る前には夜中になるかと思っていたが、後100キロ。19時までに新潟に着けるか?
 少しペースを上げてみる。

 新潟が近づくと広いバイパスが続く。快調に走っていると、標識が8号に変わった。やった。とりあえず、完走。

 まだ、陽があるので、海を目指す。
 新潟港で日本海に沈む夕陽を見送る。

 さて、どうしよう?
 新潟で泊まるにはまだ早い。

 市内で本屋を探して地図を見る ― 地図さえ持ってない どうせ主要道しか走らんもん ―。
 17号は新潟まで走った記憶が曖昧。できれば、17で帰るつもりでいた。17の終点は長岡らしい。今夜の宿は長岡まで行って考えよう。17なら、めげても関越に逃げられる。SAなら仮眠もできる。

 本屋で、そうプランを固めて、ついでに1時間ほどコーヒーブレイク。
 気がつくと、今朝、小さめのおにぎりをもらっただけで、なにも食べてないのに、特に食欲もない。
 食事もとらずに、市内で7号の起点を探す。
 はっきりした起点が表示されていないのだが、7号の表示が始まる少し手前で116号との分岐表示を発見。ここが起点だろう。
 そこから、7号を追って、さっきのバイパスまでトレース。これで完走ということにしておこう。

 そのまま、8号へ長岡を目指す。
 長岡まで60キロ強。
 最初は広いバイパスでペースが早かったが、市街を出たころに1車線になる。
 適当に先行車をかわしながら進む。

 2時間かからずに長岡に入った。と、思ったら、市内で始まったバイパスは、そのまま17号になってしまった。
 止まりもせずに先に進む。

 前橋まで120キロ?
 日付が変わる頃には、前橋まで行けるかも。
 新潟で再スタートしたときからナイトランになっているので、景色もなにも見ずに走り続ける。

 信濃川を越え、走り続ける。
 小千谷ってこの辺なのかぁ。魚沼も聞いたことあるなぁ。有名なスキー場とかもいくつか通り過ぎる。

 夜中に峠越えか?
 ガソリンはまだあるが、夜になるので早めに給油。
 東京まで220キロ。もう、無給油で帰れるはず。
 ほどなく三国峠にかかる。
 ここで、標高が上がるに連れて雨が降り始めた。
 カッパを着たいが、周りは街灯もなく、様子がわからない。見えるのはわずかな路面のみ。せめて、屋根のあるところはないかと探すがなんにもない。
 周りの見えない暗い峠で、シールドは曇るし、路面は滑る。タイヤは信用できない。ヘロヘロで走り続ける。
 雨足は強くなる気配。峠を降りれば止むかと期待したが、そこまで行く前にカッパを着ないといけないようだ。
 峠越えを予想した時点から、夏用ジャケットで夜の峠越えは寒そうだと思っていた。防寒も兼ねて、カッパを着たい。気温表示は16度に下がった。

 屋根のあるところ、と探すうち、峠も終わりそうになってから、やっと明かりを見つけて飛び込んだら、トラックステーションだった。
 中に入ると、トラック協会員専用施設と書いてあったが、雨の中で追い出されもするまい。
 濡れたジャケットを縫いで、シャツを着替える。
 雨宿りのお賽銭代わりに自販機でカップラーメンを買う。これが、今日の晩ご飯?
 依然、食欲もないけど、身体を温めるためと思って食べる。
 0時をちょっと回った。前橋まで60キロ。東京まで180キロかぁ。
 雨宿りしなけれは、前橋で0時くらいの予定だった。さすがに、前橋で宿を探そうと思っていたが、前橋から東京は120キロ足らず??
 このまま帰っちゃうか??
 同伴者かいたら、とてもできない強行軍だな。

 メールしてみると、東京は降ってないらしい。天気予報を見ても、群馬の一部だけが降っているようだ。
 1時間ちょっと休憩して、南が晴れているという情報に期待して、カッパを着て、再スタート。
 三国峠を越えれば、この先の17号は走ってないはずがない。
 いつ高速に乗っても、完走ごっこには影響ないんだが、このまま東京まで走ると、本日の走行は800キロ余り。
 1日1000キロには足りないが、下道800キロなら、まだネタになるか? 現時点で12時間程度しか経過していないし。
 貧乏も積極的な理由として、一般道を走り続ける。

 峠を下りきって、雨足も弱まったところでペースを上げる。
 1時半くらいに前橋を通過。断片的に、見覚えのある景色が増えてきた。

 時間がら、トラックが多くて、道が細い区間では邪魔になる。広いところでは、ギリギリの信号無視を繰り返してうざったい。
 黄色線は守る姿勢を押し通し、見える限り抜き続ける。深谷、鴻巣とまた雨だ。
 やっと、さいたま市に入った。17号から、南東京へは、どう行けばいいんだっけ?
 しばらく思いつかないでいたが、笹目橋の表示が出て、解決。

 それにしても、3〜4車線になったバイパスの夜中の走りはエグい。
 信号無視すれすれに加減速を繰り返すトラックと、その間をくぐり抜けようとするタクシーが猛スピードで入り乱れている。
 一気に抜きたいが、抜くなら、それなりの速度になる。抜いても抜いても前にいる。馴染みのない区間では、覆面も要注意。

 まぁまぁのペースで都内にたどり着き、環8を南下。
 家が近くなったところで、燃費把握のために最後の給油。
 スタンドのおじさんが釣り銭探すのにまごまごしなかったら、4時までに帰り着けたのに・・・
 4時5分到着。本日の走行800キロくらい。16時間半くらいでした。

 寝る!!

   



     さて、平穏な日常へ.......「42」