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FZ系リザーブの謎−イグナイタの配線はなぜ増えた?− May 31'01 大改訂 Aug.06'01 小改訂 |
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FZR系のエンジンをFZに換装するとき問題になるのはEXUPだ。 EXUPのない2GHなら1FM、1AEのメインハーネスを使っても、ピックアップのカプラをいじればそのまま載るらしい。3KSはシングルデジタルピックアップになっているからいじる必要もない。 しかし、3GM以降のエンジンを載せようとする場合、EXUPを駆動する目的でメインハーネスの移植、または一部配線の移植をしているのが普通らしい。 今回、ハーネス交換をさぼってEXUPなしで3GMエンジンを移植した。EXUPが動かないことに目をつぶれば、3KSのイグナイタで3GMは動いている。しかし、動かしてみて中速のトルクの谷に嫌気がさしてきた。EXUPをつけたいが、横着者だからできればメインハーネスは移植したくない。EXUPのコントロールケーブルはイグナイタから出ているので、3KSのメインハーネスに3GMのイグナイタをつなぐ方法を調ればOK(?)だ。以下は、その試行錯誤の内容である。 あくまで、試行錯誤なので保証されていないこと、事実を確認していないことだけど。 さて、3GMのイグナイタを調べていくと、1FMから2LM、3GMへとだんだん配線が増えている。 2LM以降のイグナイタは、1FMに比べてピックアップがアナログ2ピックアップ(3線式)からデジタル1ピックアップ(2線式)になったために、ピックアップの配線が減っているのは意味が明解だ。意味不明なのは、2LMでポンプリレーに行く線が増えているところだ。3KSでは別の線が増えて、こちらは常時アースされている。電源系のアースは存在するのになぜ? 3GMで、EXUPの配線が増えているのはあたりまえ。タコメータへの配線が独立したのは1FM、3KSにとって不要の配線と考えていいだろう。これらを無視すると、カプラの構成は4極型×1、6極型×1で変わっていない。その配線は3GMが10本、1FMが7本、3KSと2LMが7本だ。1FMの1本はピックアップの変更でなくなっている線だから、実質、1FMの6本と比べて3GMでは4本の配線が増えていることになる。3GMのサイドスタンドスイッチへの配線はそれなりに意味がわかる。必要ならアースしておけばいい。残る3本は、Fuel SenderとReserve Switch、Relay Unitと結ばれている。 Reserve Switchはキルスイッチ経由で電源を供給している。1FMではポンプリレーに、3GMではイグナイタに接続している。なんだか意味ありげだが、燃料系の状態、しかもマニュアル操作で変わるリザーブの状態というのはイグナイタのコントロールに必要なのだろうか? でも、1FM、2LM、3KSはそんなことしてないぞ(実は似たようなことをポンプリレーがしてるんだな)。 FZRにはFZにある燃料計も残量警告灯もない。なのに、燃料センサ(Fuel Sender)は同じようについていて、イグナイタにだけつながっている。なぜ? わからないから、ちょっとまじめに、Fuel SenderとReserve Switchを使って何をしようとしているのか考えてみた。 当然、燃料系、リザーブあたりの動きに関係がありそうだ。 そういえば、燃料ポンプへは2本の配線しか伸びていない、だからReserve Switchを切り替えてもポンプの動作(燃料経路を変えるとか)は変わらないはず。タンクからはホースは1本しか出ていない。タンクから燃料ポンプ、キャブレターまでの燃料経路は1本だけ。普通のバイクのようにタンク内で機械的にリザーブを作り出していないのに、なぜこれでリザーブになるの? タンクから伸びているのは燃料系の配線だけ。これがFuel Senderでイグナイタにつながっている。 なぜイグナイタ?? これらの条件からFZ系のリザーブがどうなっているかを想像してみると。 FZ系ではFuel Senderが一定の残量を検出している間は、燃料ポンプに電圧が供給され、燃料を送りつづける。一定の残量を切ると、Fuel Senderルートの電圧はカットされ燃料ポンプが止まる。この状態で走りつづけると、エンジンにガソリンが供給されないから、ライダーは「ガス欠」を感じる。そこでReserve Switchをオンにすると、Fuel Senderルートと平行に走っているReserve Switchルートの配線で燃料ポンプに電圧が供給され、ポンプが再び動きはじめる。これで、「リザーブタンク」ができあがる。 以前、電磁ポンプは空気をかむと故障すると聞いたことがある。だから、物理的に燃料ポンプへいくガソリンをカットすることを嫌って、このような論理的なリザーブを作っているのではないだろうか。だとしたら、Reserve SwitchをオンにしていてもFuel Senderが燃料切れを感知すれば、ガソリンが物理的にはちょっとくらい残っていても、ReserveSwitchルートの電圧もカットされるかもしれない。そうあるべきだとは思うが、これは完全に推測で試したわけではない。 以下の推測は、リザーブがこう動いているという独断に基づいているので、この仮定がこけたら以下は無意味になってしまう。 Fuel Senderをセンサとも残量計とも呼ばずに、Senderと呼んでいるのがこういう理由だったらつじつまが合うのだが。(普通の英語かも) Fuel SenderとReserve Switchの配線はイグナイタにしかつながっていない。リザーブが今考えたように動くとすれば、FuelSenderとReserve Switchの状態を燃料ポンプに伝えなければならない。1FMではFuel SenderとReserve Switchは燃料ポンプリレーにつながっていたから、想像したとおりの動きが期待できる。しかし、3GMでは燃料ポンプへの配線はリレーからしかつながっていない。リレー関係は統合され1個になっており、燃料ポンプリレーはなくなっている。 ところが、3GMにあって、1FM、3KSにないイグナイタの配線のもう一本はリレーにつながっている。リザーブのシステムが想像どおりなら、Reserve Switchの状態を燃料ポンプへの配線に伝える役目は、このイグナイタからリレーへの配線にしかいないはずだ(燃料カットの代わりに点火カットするようになったらしい)。 FZのリレーは用途別に独立しているが、3GMのリレーは統合されている。統合されているリレーの品番は3GM-の番号がついているが、電磁ポンプを使ったFZ系にしか使えないリレーは作らないのがメーカ論理かもしれない。リレーにリザーブ制御を組み込まず、イグナイタにその機能を持たせたんではないだろうか???まぁ、それはそれで意味不明でもあるが。(ということでハズレ) これらが正しければ、FZには同じシステムが別配線で作られているわけだから、この3本はいらない。 サイドスタンドスイッチと違って3本の状態が、イグナイタをコントロールしているとは思えないから(ハズレ)、単にイグナイタの筐体を間借りした回路なわけだ。3本のどれかをアースしたりする必要もないだろう。 ただ、そうすると、2LMではFuel SenderとReserve Switchからの入力がないのに燃料ポンプリレーへ伸びる配線が増えている理由がわからないんだけど。(ポンプリレーの状態がイグナイタを制御してるんじゃないかな?) やってみればわかることだから、近日中(1年経った)にレポートしよう。 |