FZ1000 Diary Part30 FZ1000 Diary Part32 The Index of FZ 1000 Diary HOME

         
   6万キロ?
           
  
 キャブはなんとかなるというか、間違いの本質が見えてきた。
 で、キャブはキャブで問題はあり、一時期話題の黒煙はキャブかもしれないが、エンジンの振動とか白煙とかとは別の問題。
     振動は、1000に換装した時点から気にしていたものかもしれない。
 そう切り分けができてきたところで、エンジンはかなりヘタッているという結論が。

 そんなところに、オークションにエンジンを見つけた。
 セルとジェネレータ欠品だが、それはなんとかなる。
 2万台前半。そんなもので落ちるはずがないと思いながら、わずかに上乗せしたらそのまま落ちてしまった。
 送料含めても2.5を切る。お買い得??

 売り文句には「絶好調」とありながら「走行距離なりの異音」ともある。どっちなんだ? ま、来てしまった。
     できれば、現エンジンがもっている間にちゃんと整備したいから、程度も多くは望まない。

 しばらく手をつけられずにいたが、やっと梱包を解くと泥付き? 解体屋でしばらくの時を過ごしたらしい。少しでも洗おうとすると、立ち会った山田が半分以上磨いてくれた。

 開けるのに気がかりな汚れを落としたところで、カムカバーを開ける。
 カバー内部は全体にきれいだ。プラグがオイリーなのはヘッドを下にして保管されていたからか?
 さて、どこまで手をつけようかと考えていると、山田が「閉めよう。このまま載せよう」と言う。フルメンテナンス推奨派だった石田も「これはこれで使えるんじゃない?」と言う。
     やるなら腰下まで徹底的に、と思っていたのに、手伝いを期待している2人にそう言われると反対もできない。
 「これを載せて、降ろしたやつを整備すれば?」と言うが、これが使えたら、降ろした方に本当に手をかけるかどうか??

 ま、しかたがない。載せるか?

 しかし、考えてみれば、5.5万キロで750エンジンが煙を吐いた。載せ替えてから4万キロ。載せる前に2万キロは走っているだろうから、今回も推定6万キロ。どちらも、6万前後で煙を吐いたことになる。日頃の整備次第だろうが、6万でリング交換くらいのことは必要になってくるのかもしれない、と勝手に納得しておく。

     さて、フルオーバーホールをするかしないかは後回しにして、載せ替えの検討をする。
 石田が、早速やろうと言うが、始めて1日2日で終わらせようとすると、「いつものように」始めてから「あ」ではまずい。
 日を改めて、載せ替えの下見をする。

 交換すべきOリング類を確認。
 今は、3GMのウォータライン上にあるサーモスタットがFZのタンクに干渉するため、ウォータラインを750のように上に回してある。そのため、3GM純正キャブを着けようとすると、今度はチョークが邪魔になるから、チョークをはずしてしまっている。
 それでも、なんとかなってきたわけだが、使えるなら使いたい。
     その後の調べで、3GMで背面に配置されたサーモスタット本体さえなければ、ウォータラインは3GMのように下からサイドに回しても、タンクを凹ませなくても着くらしいことがわかった。そうすれば、チョークをはずさなくともキャブが着く。
 サーモスタットは、今と同様、750の位置に着いているものを使う。
 後は、背面のサーモを取り外したところから750のサーモ経由ラジエータまでをどうつなぐかが課題である。背面パイプからサーモを取り外し、現物にあわせてウォータラインを引いてみる。ラジエータ直前は載せ替えてみての現物あわせだが、背面の取り回しに必要な部材に一通りのあたりを着ける。
 こんなパイプが欲しいと言ったら、石田が壊したエンジンに着いていたパイプを出してきた。メーカーは違うが太さが一緒だから問題ないだろう。使えそうだ。
    次に、スペアとして死蔵していたセルとジェネレータを取り付ける。解体屋はこの2つをはずして、他へ売ってしまったらしい。
 ジェネレータを着けようとすると、ウォータラインをはずさないとボルトの1本が締まらないことがわかった。仕方なく、ウォータラインをはずすと、やはり、はずすために開けたらしい跡があった。Oリングを噛んでいる。これは新品交換。その他、一度はずさなければいけない部分のOリングをチェック。オイルラインもOリングが2個必要。
 売り手の解体屋の話ではオドが16,000km台のエンジンらしい。ヘッドを開けたときの印象、洗った後の外観、とりあえずはずしたウォータラインなどは意外ときれいだ。ドライブスプロケットが新車時から未交換なら、サバを読んでも20,000km走っていないエンジンかもしれない。
 とりあえず、全体の状態をチェックして、翌日、Oリングを発注。

   日帰り載せ替え?
           
    数週間後、部品を担いでがれーじに行く。
 部品は全部揃ってるし、なんとか1日で終わらないか??

 朝10時半到着。
 エンジンが冷えるのを待つ間に外装をはずし、タンクをはずす。どこからともなくオイルが漏れるオイルクーラーはラインから取り替えたい。

 まず、オイルを抜く。漆黒の美しいオイルがわずかばかり出てきた? 1リッターあったか?
 それほど漏れていたのか? 伊勢参りで焦げ臭いほど吹いたのが主因か?
 オイルクーラーをはずす。キャブを降ろす。ウォーターポンプのボルトをゆるめたが水が出てこない。ドレンは別にある?? 探しても見つからない。悩んでいると、ラジエータキャップをはずしたか?と聞かれる。はずしたらドバッと出てくるだろうから、はずしてない。はずさなくともチョロチョロくらい出るものと期待していたら、はずしたとたんに出てきた。ふ〜ん。
 あちこち小細工してある電装系もはずして下ごしらえ。

 レーシングスタンドに載せ、サブフレームをはずす。
 チェーンをはずすためにドライブスプロケットをはずす。
 シャフトをゆるめてチェーンをたるませたが、クリアランスがないためシャフトからはずれない。リアホイールをはずせと言うのを無視して、エンジンを降ろすときにずらせばいいと横着をする。
 EXUPワイヤーをはずし、エキパイをはずす。さて、エンジンとつながっているものは全部はずした。

    ジャッキを当て、エンジンをフレームに固定しているボルトを抜く。降ろそうとして傾けると、エンジンに残してあった金属製のウォータラインがラジエータに当たって降りない。もう一度エンジンを起こして、ウォータラインをはずす。ウォータラインはインシュレータに干渉して、抜くのにまた苦労した。
 さて、仕切り直してエンジンが降りた。
 オイルランプスイッチを降ろしたエンジンから移植。コネクタをいじってあったピックアップコイルも古いものを移植。
 これで、やっと古いエンジンに用がなくなった。
 14時? 早い? 遅い?

 2人がかりでゴソゴソエンジンを移動して、新しい方と入れ替える。
    今と逆の手順で、新しい古いエンジンを積む。
 と、エンジンマウントのカラーがなかなか入らない。エンジンがセンターにないのか?
 サイズ違うんじゃないの?とか言われながらあちこと叩く。
 カラーはなんとか入ったが、位置が悪くてシャフトが入らない。また叩く。やっと収まった。

 家主が買い物に行くついでに、はずしたボルトの中で錆びて再使用不可のものを勝ってきてくれるように頼む。
 留守の間に、手順を間違えて、換えてなかったプラグを交換する。載せる前にやるよりよっぽど効率が悪い。
    オイルクーラを換えるために、オイルラインのジョイントを加工する。クーラ本体は今までのものと同型のものだが、今まではホ−スのジョイントがアールズのネジ式だったのでクーラのミリネジとアールズのインチネジの変換アダプタが着いている。これが、以前にオイルクーラを取り替えようとしたときにはずれなかったので交換をあきらめていた。それ以来、いろいろとこのアダプタを探したのだが、同じものが見つからなかったので、今回はミリネジの取り付けパイプを用意して、これを今までのホースにかませることにした。
 まず、ミリネジのパイプを適当な長さに切る。
 切ったパイプをホースにねじ込む........ 入らない。
 確認してもサイズに無理があるのではなさそうだ。確かにちょっと太めだが、入らないサイズじゃない。
 こじる。延々とこじる。短く曲がったパイプをくねくねするホースに差し込もうとしても力が入らない。疲れたので、パイプの端をヤスリで斜めに削る。
 少しはよくなったようで、やっとパイプがホースに食い込んだが、それ以上中に入れようとするとやはりなかなか進まない。
    格闘を続けて、2本とも最低限の深さまで入ったかと思う頃、家主が帰ってきた。

 作業を続けるが、日も暮れてきた。
 家主が、まさか本気で1日で終わるつもりで来た? と聞く。え? そのつもりだが.... 目の前の状況を確認する。このまま続けて後3時間で終わるか?? 今、19時過ぎ? ダメか。家主の都合もあるし、明日出直そう。
 ひとまず、片づけに入る。

 ひと通り片づけて、タンクを載せる......!?
    3GMのウォータラインは背面のサーモスタットがFZのタンクに干渉する。といっても、2cm弱、タンクをへこませれば着くと聞いていた。なら、サーモスタットは1FMタイプでラジエータ横にあるから、3GMのサーモスタットさえとれば、後はゴムパイプで取り回してなんとかなると思っていたのだが。
 ウォータパイプのエンドとタンクの隙間が3cm弱しかない。ゴムパイプを当ててもその隙間で直角に曲げるのは無理がありそうだ。サーモスタットの取り付け口が急角度にラインを曲げていたのだが、同じことをゴムパイプでやればひしゃげるだけだ。
 ダメだこりゃ。

 どうしよ? どうしよ?
 ひとしきり策を練るが、手元の部材ではどうにもならない。
 結局、今まで通り、1FMのウォータラインでキャブの下を上に回すことにする。
 これをやると、キャブのクリアランスがなくなって、チョークを殺さないといけないのだが、仕方ない。いずれ、別の策を考えることにする。
     




     どうしよう.......「2日目」