CZ 5th Diary 09 CZ 5th Diary 11 The Index of CZ 5th Diary HOME
   パパンッパンッ
         
    やはり、5回目はあった・・・・・・・・・・



 通勤途中、特になんということもなく走っている間、スタートして3kmほどでエンジンが沈黙。

 いまさら、驚かないが・・・・
 今度は近くてよかった・・・・

 路上放置して、電車で通勤。
 帰りに拾って、押す。4kmの距離を1時間足らずで帰り着いた。馴れたもんだ・・・・

 さて、帰り着いたが、ピストンはない。なにもできん。
 と、報告すると、お迎えが来た。

 富田さんが早朝に車で来て拉致。富田さん宅には、角田さんが、昨夏に放棄したエンジンを持ってきてくれていた。

 原因不明だが、ポンプを換えてダメなら、エンジン本体を諦めろという。
 で、クランクケースごと交換の上、シリンダ&ピストンは他車流用のボアアップ版が用意されていた。ノーマル125がいいというのは、すでにゼイタクな台詞になっているようだ。

 作業が富田さん宅で行われた理由は、富田さんの車体も同時修理の必要があったから。なぜか、富田車の作業を手伝って、うちのはほとんど角田さんに任せた。

 移植作業が完了したら、第3の患者、初田さんの家に行くという。

 そそくさと、車体を組み上げて、10km?ほど移動・・・・

 う〜ん。

 ボアアップはわかってるんだが、すごいエンジンフィール。タンタンタンタン・・・と、なにこれ?

 あ、モトクロッサーですか??

 乾いた排気音とともに振動もそれなり。
 これ、スクータじゃないでしょ。

 他車でも、使用実績のあるピストンなんだが、他とセッティングが違うようだ。

    無断変速に、このピストン。いいのか? え? よくわからん?

 慣らしというのもあるが、それでなくとも、5,000rpmを超えたら破壊しそうな予感。

 そんな感想を抱きながら移動していると、なんだか調子が・・・・

 エンジンがふけても速度が上がらない・・・・

 あ・・・・・ やった・・・・

    残り、2kmほどのはずと、6,000rpm回して、やっと20km/hという状態で、初田さん宅にたどり着く。

 クランクケースが赤熱している。

 うぅ・・・・    押して来ればよかったね・・・・・

 さっき、急いで組んで、プーリーの締め付けが弱かったらしい。

 何が起こったか、どうなっているかは想像がつく。

 ナットが外れて、駆動しなくなっていたのだ。そこを、摩擦だけを頼りに走ってきたから、加熱したのだ。プーリーのウェイトローラーは熔けて、再固化して使い物にならない。疲労困憊で、ジュースを買いに行っている間に、角田さんが一通りの後処理を済ませていた。

 あぁ〜あ。

 数人で集まったので、なんやかやと話している間に、角田さんに試乗してもらった。

 こんなセッティングでいいの?
 8,000rpmまで回ったよ。平気。絶好調。
と言うので、それ以上に反論もできない。シリンダ代をこちらの言い値で受け取ってもらって、帰路に就く。が、やっぱり、6,000rpm以上回すのが怖い。パリンパンパンパンと音だけ威勢よく帰ってきた。

   スカッ
         
    さて、翌日。

 富田さんの修理のやり残しを手伝いに、また同じ道を自走で向かった。

 相変わらず、パリンパンパンだが、これでいいというなら、使いこなさなきゃしょうがない。富田さんのところまで近くなったころ、すいた直線で、ふつ〜にアクセルを開けてみる。

 感触は固いが、まぁ、こんなもんといえば、こんなもんなのか?

 と、思って、7,000rpmを越えた頃、スカッとエンジン音が消えた。

 え? なに?  あ? また?!

 どう考えても、圧縮がない、いつもの症状・・・・・

 場所が場所だけに、押しては帰れない。富田さんに、連日の回収を依頼。

 さて、富田家に担ぎ込まれたエンジンを開けてみると・・・・ あ?

 見慣れた壊れ方ではない―見慣れるな!―。

 今度はピストンヘッドに丸い穴が開いてしまっている。

 素人考えでは、高圧縮に加え、プラグにでも当たったのか?という感じだ。プラグヘッドも欠けている。

 いずれにしろ、ピストンの予備はない。

 角田さんに状況を報告すると、ピストンを送ってくれると言う。その日はなんにもできないので、富田号の修理を手伝って、帰りは、不調だが走るという富田2号を借りて帰ることになった。

   他人の心配
         
    借りたものの、富田2号は、さすがに通勤には乗らなかったのだが、ちょい乗りしてみると、電装がおかしいという意見に反して、どうも問題点はキャブじゃないかと感じる。

 借りた当初は、そんなに元気ではないが、ふつ〜に走った。
 しかし、しばらくして、なにか発進がもたつくようになった。加速が極端に悪く、4,000rpmを超えるとふつ〜に走る。

 しかも、一度症状が出たら、エンジンが冷えても、2〜3日おいても戻らない。―そもそも、借りた直後にその症状がなかった方が不思議なようだ―

 それって、電気系か?? なにか電気じゃない気がする。

 実はこの富田2号。例のピストン&シリンダを使っているボアアップ版なのだが、その換装のときにセッティングがうまく出なくて、濃い目に振ってあるという。キャブは他車流用のフラットバルブタイプ。

 4,000rpmを超えると普通に走るのだが、高速域でも、最高速に達する前に失火する現象が起きる。これをみて電気と思ったふしもあるんだが、これって単にかぶってんじゃない? 試しにエアクリーナのスポンジをはずしてみると、最高速側の不調はかなりよくなった。ほらぁ〜。

 角田さんに聞いても、個体差がきつかったからと、パイロットエアスクリューをいじってあるらしい。とりあえず、スクリューをいじれとの指示。

 まずは、低速を薄くしてみようと思いついた。
 で、エアスクリューを確認すると、標準より1/4ほど戻し量が多い? でも、濃いんだから、もっと開ける?
 しかし、それでは、エアスクリューの調整範囲を越えてしまう。

 それは、変だ!

 納得できないので、一度、規定値まで締めてしまう。

 ほら。なんか、この方がさっきよりよくない?

 チョーク不良のときに特に目立つのだが、トレーシーには4,500rpm前後に谷がある。
 ひょっとして、この谷って、スロー系とメイン系が切換わるときのつながりの悪さなんじゃない?

 今の症状も、チョーク不良の極端な例に似てる気がする。メイン系はなんとかなるが、スロー系が濃過ぎて、発進に手間取る、と予測した。

 さらに、確認として、エアクリーナーの蓋をとってみる。

 高速域の不調はほぼ解消して、低速域はますますダメになった。アクセルをカッと開けるとエンストする。
 小さいバイクほど負圧キャブにすればいいのにと思うが、小さいと負圧が足りないんだと。

 で、結論は出ないが、予想は、「キャブがでかすぎる」―150でも125と同じキャブ。違うジェットを使っているCZで、ピストン換えて132ccになったとしても、口径の大きくなったキャブはでかすぎる。少なくとも#5〜10小さいメインとパイロットジェットが必要―ということにして、富田家に向かう。

  
   整備データ
  Feb.28,10 10,685.2km オイルデリバリパイプ交換
  Mar.08,10 10,851.1km オイルポンプ交換


   




    なんとかなるのか?........ 「9」