CZ 3rd Diary Part31 CZ 3.5th Diary P.33 The Index of CZ 3.5th Diary HOME
 どこが悪い?
     
    異音は心臓部から出ていると思われるが、具体的にどこなのか??
 想像される原因と対策は、クランク系のベアリングがダメで、エンジン丸ごと交換ということなんだが、悪いところを探さないと交換して効果があるのかどうかも今後の予防策も分からない。

    ともかく、バラす。
 外装をはぎ取って、マフラーを取り、欠品で貴重なチャージコイルをはずす。
 クランクケース側からプライマリプーリを抜く。

 これで、見た目、クランク周りが裸になったが、シャフトを手で回してみてもガタはない。

 手で分かるほどのガタなら、もっとひどいことになっているのかもしれないが、目につく異常もない。
    クランクケースカバー2? プライマリプーリの奥にある、オイルポンプとウォータポンプのついたパネルをはずす...........
 はずすためにはシリンダ横とウォータポンプをつなぐ直角のパイプをはずさないといけないのだが、これを留めているボルトがフレームの陰になってボックスが入らない。板ラチェットも外径が大きすぎて入らない。メガネを探しに行くが8mmのメガネなんていつどこで使っただろう? 見つからない......

 やっと見つけたスパナは片口で、固着したボルトはメガネでないとナメそう。

    しばらく悩んで、すでにはずしてあったショックをずらしてエンジンを傾ける。
 車体は不安定だが、ボックスが届くようになった。

 オイルポンプケーブルとかに悩まされながら、やっとスタータクラッチとご対面。しかし、スタータクラッチ、バランサ室内にも異常は見られない。

 なにが悪いかわからないまま雨が降ってきた。
 これ以上バラすとエンジンが降りてしまうのでとりあえず中断。

 正気ですかぁ〜?
     
    実は、ご臨終の直前にエンジンを買っていた。
 エンジンと言うより、雨ざらしになっていた部品取りということで、ちょうど欲しかったセンタースタンド代で見合うくらいの値段で出ていた。
    スタンド買うつもりで、欠品のクラッチが着いてくるならお得。
 万が一、これまた欠品のステータコイルが生きていればラッキー。
 壊してしまった欠品のBVSバルブが生きていればお宝。
 スペアのシリンダーがあれば遊べる。
 というノリで、クランクケースは邪魔になるけどと思いつつ買った。

 ........のに、真っ先にクランクケースが必要になるとは........

 双方の都合で届くまでに時間がかかっている間に本体が死んだ。
    届くまでの期間に、売ってくれた人に「直したら使えそうですか?」と聞いたら「雨ざらしになっていたから部品取りです」との答え.......

 届いた。

 とにかく、夜の暗い中で荷物を改める。

 触れないくらい汚れてる。

 これ、   ゴミだよな!?
    油まみれで雨泥にさらされていたのがよぉ〜くわかる。
 部品取りとして買ったとはいえ、「どうにかすれば直るでしょう」とか言われていたら詐欺だとしか思えない姿。売り手の方は正直な方でした.........

 プラグを抜いて、クランクを回すとスムーズに回る....... が

 これ使うんですかぁ〜??

 本当にぃ〜?
    ウォーターポンプはあるがオイルポンプがない。まぁ、欠品は今のと2個1でなんとかなる。.......けど、本気で使うのぉ〜?????

 ともかく、洗浄。レンジクリーナーをありったけ吹きかけて一晩寝かした。
 翌朝、前夜に暗がりで見た泥汚れは大分なくなっているのに、それでも真っ黒なのはなぜ??

 オイルで練った泥がこびりついていて、洗剤かけて流したくらいじゃ落ちていないのだ。
    洗剤がないので買いに行く。ついでにワイヤーブラシも。

 洗っても甲斐がないので、ブラシと割り箸で固まった土をほじっていると、遺物を発掘している気がしてくる。
 どんな状態で雨ざらしだったかが想像できてくる。
 アニメで古代遺跡から超兵器を掘り出すなんて設定はウソだよなぁ。絶対、戦闘前に砂を噛んで壊れるだろう。なんてイメージがダレた頭を駆けめぐる。

 ブラシでこすること2時間?
 なんとか、普通に汚いエンジンになった。

    先にはずすと、洗った泥が中に入りそうなので、はずさないでいた部品をはずし始める。
 クラッチは錆び錆びだなぁ。まぁいいけど。
 ??! ロータの取り付けナットが甘い? ロータプーラの逆ネジがナメ気味? それでもはずれたのは軽くしか止まっていなかった? お! ステータの取り付けネジもナメてる。
    それにしても、ロータに深い切り込みがいくつかあるのはなぜ? 車体に付けたままサンダーかなんかで半端な軽量化でもしたの?

 ウォータポンプをはずす。クランクケースカバー2というやつをはずそうとすると、また1本ナメてる。
 セルモータも1本ナメてる。

 そうかぁ、全部はずそうとしてネジをナメたものが残ってるんだな。それで、オイルポンプがないのか。
 クラッチとセル、ステータ、最初の狙いだったセンタースタンドが戦利品か?
    ローターの傷は、加工しようとしたと考えるにはあまりにずさんで数も多い。ひょっとすると、ローターをとろうとしてネジをなめたから、ローターに切れ込みを入れて抜こうとした? で、ローターを抜いたはいいけど、結局ステータのボルトもナメて諦めた?? そう考えると車体に装着したまま削った理由がうなずける。
 うなずきたくもない所業だが。

    一通りはずしてから、さらに隠れていた汚れを洗い流すと、普通の中古エンジンに見えてきた。
 クランクも回るし、圧縮もある。ミッションのオイルはきれいで、見た目の損傷はない。
 考えてみれば、こいつのバランサ室には水が混じった跡がない。オイルシールは生きているのか。このまま.......  とも考えたが、時間の問題だろう。

 エキゾーストポートとプラグが真っ黒だから、かなり濃かったのだろう。オートチョークトラブルが克服できずに廃車になったか?
    それなら、機械的トラブルがない可能性も出てくる。

 最後にシリンダをのぞいてみた。特に問題なし、なんとかなりそうな気がしてくる。
 シリンダの中が見える間にEXポートに溜まった煤をとる。

 まぁ、試してみるしかない。

 何も着けないとゴミが入りそうだから、クランクケースの蓋の代わりにリードバルブブロックとインシュレータを移植。
 セルモータをキャップボルトで取り付ける。
    タイヤを付けるとまた手が入らなくなるから、先にミッションオイルを換える。
 ミッション室のオイル交換をしてから、リアホイールを移植。サブフレームを組む。

 後は、ステータコイルとかならできるが、肝心のウォータポンプのオイルシールがまだ届いていない。
 オイルシール交換で、また左右にひっくり返すかもしれないから、まだ大事なロータを着けたくはない。

 ナメたネジも買い足してこないといけない。数本は、後の事を考えれば、プラスネジをやめてキャップボルトにしたい。
 というわけで、今日の作業はここまで。
 すっかり暗くなったし、室内で戦利品のクラッチアッシーをいじって遊ぶ。
  



 動いてくれぇぇ........... 「33」