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 ホイールあれこれ

 チェーンラインの問題を整理しておく。

 3KSに3GMを載せるわけだが、エンジンのマウントボルト位置は共通だから、そのまま載る。
 そのまま載せるわけだから車体とドライブスプロケットの位置関係の変化はマウント位置を基準にする。
 と、
  3KS   ドライブスプロケット−エンジンマウント面 = 5.7mm
  3GM   ドライブスプロケット−エンジンマウント面 = 9.6mm
だった。
 つまり同じバイクに乗せた状態で3GMエンジンのドライブスプロケットは3KSエンジン搭載時より、
 5.7mm−9.6mm=−3.9mm
 約4mm外側に出る。しかも、ドライブシャフトの根元には、約5mm厚、直径5cmほどのカラー(?)のような台座がついている。カラーというよりはシャフトの一部で取り外せない。取り外せれば、このカラーで調整できる範囲なのだが。最悪なのは、オフセットスプロケを裏返してチェーンラインを追い込むためにもこのカラーの直径が大きすぎることだ。

 ということで、チェーンラインが外側に3.9mmずれた。

 一方、3KSのスイングアームとドリブンスプロケットのクリアランスは1cm強しかない。特に、スプロケットを固定しているナットの頭はスイングアームまで5mmほどしかない。このまま約4mmオフセットしたら3mm厚のナットすら入らない。

 ということで、3KSのドリブンスプロケットはせり出せない。

 前提1  「ドライブは内側に追い込めない」
 前提2  「ドリブンは外側にせり出せない」
 目的   「チェーンラインをあわせる」
 結論   「どうにもならない」

 妥協案  「エンジンを変えるつもりがなけれ
       ば!スイングアームの幅を広げな
       ければならない。」


 かくして、泥縄で泥沼にはまりこむのである。

 急遽、2GHの足回りを探してくるはめになった。

 2GHのスイングアームはピボットの取り付け幅が3KSと同じだった(たぶん。測ってないけどつけたら平気だった!?)。

 2GHのホイールは3KSより広いので、黙っていても(<−ちょいウソ  ハブの厚さが調整されていて出ないホイールもある)ドリブンは外に出る。

 スイングアームのピボット付近のとりつけ寸法が同じ幅で、2GHも3KSもきっとスイングアームの中央にタイヤのセンターがあると信用すると、タイヤセンターからドリブンまでの距離はホイールが太い分、2GHは3KSより1.95mm外に出る。
 2GHスイングアームは3KSのように原設計(1FM)のサイズのまま1サイズ太いホイールを入れているわけではないから、ドリブンを2mmはみださせる余裕がある。

 ホイールとスイングアームを換えて1.95mm外側に出たスプロケットの内側にさらに2mmのワッシャを気持ち面研ぎして入れ、計3.9mm見当を稼ぎ出して、やっと、チェーンラインがそろうのであった。

 データを以下にまとめる
エンジンのサイズ: 3KS 3GM
  エンジンマウント面から
  ドライブ内側面までの距離
5.7mm 9.6mm
「3GMはドライブ側のチェーンラインが3.9(=9.6-5.7)mm外側にある

ホイールのサイズ: 3KS 3.50-18 2GH 4.50-18 4KG 5.50-17
  ホイール幅 Wheel width 109.5mm 135.0mm 160.5mm
  ホイール端から
   ドリブン内側面までの距離
46.0mm 35.2mm 28.8mm


  ホイールセンタ−スプロケ間の差


3KS - 2GH
  The difference of the length of (109.5/2+46.0)-(135/2+35.2)=-1.95
sprocket offsets between the 2 wheels. 3KS - 4KG
(109.5/2+46.0)-(160.5/2+28.8)=-8.3


3KSフレームに3GMエンジンを装着したときのドライブとドリブンのずれ:
2GH Wheel 3.9-1.95=+1.95
4KG Wheel 3.9-8.3 =-4.4
(註:プラスはドリブンを外側へマイナスはドライブを外側へ)


 ? 「4KG」って?・・・・・・・
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