10年モノFZをいじめる人たち 危なかったこと Index of Monologue HOME
日々是好戦
 XJR
 中原から勘7外回りに曲がる。右後方を横目で見てオーバーパスからの本線へ下から合流する。視界のすみにいたバイクがついてくる。すぐに左コーナーに入る。
 いつもと違ってコーナーを抜けても音が遠ざからない。おや?
 コーナー出口の信号で並んできたのは黒のXJR。1200か。
 XJRはいいバイクである。試乗させてもらって、乗りやすいこととパワーのあることに感動した。これに乗ったら都内で絶対誰にも負けないと思った。しかし、このバイクに乗り換えてパワーを使いきる乗り方を覚えるのに半年とかからないだろう。半年後の自分というのが生きてるかどうかわからない、という妙な理由で買う気にならなかった。
 そのXJRが今、他の乗り手を得て、目の前にいる。いや、横か。
 信号から渋滞に捕まるまでのオープンスペースでXJRの先行を許した。
 車の間ではこちらが押し気味になる。
 何度か前に出るが、前が開けると逆転される。
 前に出られないのが歯がゆい。最高速が0.6Yだから、それを超えられるとおいていかれる。
 結局、目白通りをXJRが左折して行くまで抜ききれなかった。
 「ケッ。KDXをブッちぎれないようで勝ったと思うなよ。」


 CBR900RR
 甲州街道から環8へ曲がった。5時に電話しないと行けない。右折待ちの間に時間を確認する。4:25PM。30分後には都立大あたりについているかな。都立大あたりで電話すればちょうどくらいだろう。
 右折してすぐの信号で後ろにGSXRがつく。
 ちょっと様子を見ながら発進する。遅くはない。が、しかけてくるような気配はない。
 まいっか。おいてっちゃお。
 渋滞の間をぬってペースを上げる。
 左ミラーにGSXRが来ないことを確認して、右ミラーにプレッシャーを感じた。
 GSXR? 違う。 あ その後ろにいた奴。
 次の信号で捕まり、相手がCBRだとわかる。
 スタート。あ、こっちは元気がいい。ちゃんとついてくる。抜きにくる気配を見せる。
 ちら、と相手の顔を見てから車の間に突っ込む。このスピードでおしくらまんじゅうはしたくない。
 相手もこちらのタイミングを読んでから動いている。闇雲に命を賭けてこない。
 あ、これはいけるかも。ペースが上がる。
 車をかわし、ラインを変える。ミラーから相手が消える。ここに来るはず。読んだところに彼は現れる。相手の動きが信頼できればセーフティマージンを落とせる。
 きゃははは。
 いつも以上のペースに、普段引っかかる東名入り口、246と信号が青のままパスする。青信号といっても他の車の動きに対応できるスピードまで落とすが、相手もそこで仕掛けるようなまねはしない。
 頭をとったまま、三京入り口のカーブをクリアする頃、相手がパッシングした気がした。CBRは三京に曲がったようだ。あれがパッシングなら、CBRも楽しんでくれたということなのだろう。
 久々に、また一緒に走りたいと思わせる人だった。
 目黒通りに左折して時計を見た。4:30PM。
 一期一会である。


 番外編
 会社帰り。DTで負けなかった頃。後ろからバイクが迫ってくる。めずらしいじゃん。PRESS?20年まえのPRESSは本当に速かった。こっちが未熟だったせいもあるが、今のPRESSは無事故第一で、ピザ屋のほうが手ごわいくらいだ。FT400。ハンドルが切り詰めてある。ドン。オフ車本来のハンドル幅のDT125では入れないところを減速せずに突っ込む。しばらく、ついて行ったが、マケ。あれにはついてけませんでした。