日々是好戦 Index of Monologue HOME
10年モノFZをいじめる人たち
 750を買うときに「100馬力以上での差は公道では出ないぜ」と思っていた。満月ツーリングの帰り、真夜中の横横で一緒だったFZRにジェットヘルの限界と思っていたスピードを超えられてしまった。パワーもさることながら軽装備と夜目のせいで後れをとった。「あれでおしまい?」とか言われたっけ。それが今や175馬力だとぉぉ??

 箱根で、FZRの女の子がバンク中は楽勝で抜けそうだった。けど、そこで差しちゃって、怖がらせてコカしたらいけない、と、立ち上りで抜こうとした。ところが、並んで同時にアクセルを開けたとたんに離される。アクセル開けた瞬間に「1000です!」とFZRが自己主張しているようだった。ZZRの女の子と乗鞍を越えたときも、アプローチからターンまでは絶対勝っているのに、(箱根で経験してるから)立ち上がりでも3m後ろから先にアクセル開けているのに、次のコーナーにアプローチするときは車間が変わらず、結局最後まで一緒に走ったかもしれない。

 たまたま、身内で走っているときに、衝動的に信号待ちから一人でダッシュした。「こんなもんかな」とアクセルを緩めた瞬間にZZRが20km/h以上の速度差でドンと横を抜けていった。後で「あれがFZのフル加速?」と聞かれて「そうでもないけど」と答えながら(95%くらい?)と自答していた。

 GPZ900RNinjaはFZの仮想敵である。タブン。750と900ではあるが輸出仕様のスペックはホイールベースから最大出力までよく似ている。だから、「おんなじでぇ」と思っていた。ある日、高速でNinjaと併走中、前にクルマがあらわれた。先にしかけたのはNinjaだった。ライダーは246な人ではなかったから、完璧について行けると思っていた次の瞬間にアクセルをいくら開けても加速が違っていることに気づいた。あの速度域からの加速にはトルクの差が意味を持つんだ、と実感した。トルクだけが3kgくらい違うのだ。1.5倍近いものがある。

 何人かで高山へ行った。キャハハな人たちが先行していたが、工事中の仮設信号で一人に追いついた。一瞬の信号の判断で残されたらしい。追いついた以上はついていこうとするが彼も離された先頭を追っている。山間部。ブレーキング、アプローチ、ターン。気合を入れればなんとかついて行けるなぁ。立ち上り。あぁ、あっちが先にアクセル開ける分離される。そのまま直線。。。。あぁれぇぇ。。まだ離されてるぅ。メータはぁぁぁぁ?!
 アブナイ人である。(注:1FMにはない目盛りである)

 山中湖へ向かうワインディング。前方がクリアになった瞬間に後ろが襲ってくる。
 並ばれてブレーキング・・・。あ。おい。なんで、しないんだよ。クソ。がまんしていると、さらにもう一人が後ろから並びかける。2台のFZRとFホイールが3つならんだところまで見てブレーキの指が動いた。下がる自分を残してツツッと前に出る2つのフェンダー。2人はまだ突っ込み勝負を続けている。いいもん。ついてかないもん。あんなシーン見たやつ他にいないぜきっと。(やってるやつはいるって?)

 あるおんなの子が、最近、峠がつまらないという。ちょっとぉ、ZZR400貸してぇ。はい、後ろに乗ってぇ。はい。一周みててねぇ。さぁ、どうだった。今度は自分で走ってみてねぇ。今、二人乗りしたルートをFZで彼女の後ろからついて行く。
 ん?さっきはハンドルがこんなにアウトになかったよなぁ。アンダーステア出てるなぁ。あぁ、重い。よっこらしょ。ハンドルが遠回りするのってやっぱホイールベースのせいかなぁ。ノーズがふんばりすぎないようにブレーキ引きずって・・・・・。えぇ?さっき、こんなにいろんなことしたっけ?? 同じ人間が乗ったら初めて乗る二人乗りの400の方が楽で速いってなんのことぉ?

 狭めのワインディングで後ろにCB1200。ちょっと年上かな? 普段はあまり会う機会のないおとなしそうな人である。ついてくる。がぁおぉ。コーナーをクリアする。いない。へっへ。次に進入する。ブレーキングすると後ろにいる。くそぉ。消える。いる。消えない。消える。当然、腕もあるんだろうが、わずかな直線部でコーナーでかせいだアドバンテージがすべて消されてしまっているのだ。「いやぁ高速はつらいけど、峠では楽させてもらってますぅ」とか言われてしまった。どうせ15年前の設計だよぉ。ZZR400なら・・・。

 YZF600 ThunderCat。どうせ、Ninja対FZみたいなもんで150ccの差には意味があるんだよぉ。へんっ。
 またがる。軽い。走る。突っ込む。ここでブレーキング。いや、しなくても行ける。行ける気がする。行けた。
 もひとつ倒しこんでアクセルを開ける。コーナリング中メータは80。ふぅん。そんなもんかぁ。もっといけるなぁ。20ほどメーターが上がるのがちょい遅いかなぁ。やっぱり600だからねぇ。でも、コーナーの安定感と立ち上がりはその気にさせる。軽くていいなぁ。初めて乗った瞬間にあれだけ信頼感がある。15年の歳月と50kgの乾燥重量差には意味があったんだなぁ。
 え?マイルメータ?
FZRがスキです。ZZRでもいいです。
  でもこぉんなFZがもぉぉっとスキでぇす。