CZ 3.5th Diary P.43 CZ 3.5th Diary P.45 The Index of CZ 3.5th Diary HOME
 あやしいもの
         
    みょう〜なものを手に入れた。

 チョークトラブルで、純正をあきらめて、なおかつ改造の少ない代替案を考えて、マニュアルではなく最近のシステムに変えてみようというわけだ。マニュアル化の加工と操作ノブの取り付けにスマートな案がないだけでもあるが。
 問題はこれ、「よく壊れる」と書いてあるページ(ねぎのリーダーさんの「オートチョークに関する一考」)が結構あることだ......

 本体は断熱材でカバーされている。保温のため? エンジン熱の影響を避けるため? 内部が膨張する流動体なら凍結防止かも。

 写真だけで選んでサイズがわからないから、形状的に加工が少なくてすみそうなものを選んだんだが、当ててみると取り付けサイズもネジ穴位置まで同じ。やはり、ある部分の設計は共用なのだろう。

 取り付けにはなにも問題がなさそうなので、機能的な面を考える。
 先端にシリンダーバルブとニードルがついているが、これを引き抜く。爪で止まっているからこじって引けばとれる。
 この取り外したシリンダーバルブ。CZの負圧チョークバルブと同じ径。ニードルが太くて長すぎなければこのままでも使えそうなんだが、CZではニードルでなくOリングで蓋をするようになっている。
 CZのシリンダーの長さがほんの数ミリ長く、チョーク通路もニードルが刺さる構造になっていないのでCZオリジナルのバルブを使う方向で考える。

 それで問題になるオートチョークのロッドの長さを測る。まず、室温(梅雨だが暑いから 20度強)で測ってみると先端の高さは6.7mm。カラーというか付け根は取り付け面より3mm上がっていて、ネジ取り付け面からは9.7mmという長さになる。
 冷蔵庫(5〜6度?)で一晩冷やしてみると5.7mm。サービスマニュアルの点検指示通り5分間通電してみた後の長さは12.3mm。
  
  
    電気をカットしてどのくらいで元に戻るかを見てみると。5分おきに、12.3 → 10.7 → 9.4 → 8.3 → 7.9 → 7.5 → 7.3で、7.3以下にはならなかった。6.7というのは新品状態であって、今の気温では7mm以下にならないということだろう。初期値を7.3で計算してみる。
 チョークチャンバー(?)の深さは12.9+14.3=27.2。オートチョークユニットのロッドは3.0+7.3から3.0+12.3まで変化する。
    通電後に5.0mm前後変化するわけだから、カラーの高さ3mmを加えて8mm.......

 うぅぅ めんどくさい。 .......部品点数がいくつかあって、いろんな組み合わせが考えられるんだが.....結局どこかをカットしないとつじつまが合わないようだ.....

 カットしなくても5mm厚のカラーを挟んで取り付ければ、ほぼOK。当然、それでは、チョークの上部に5mmの隙間ができるから、5mm厚のガスケットのようなものにすればいい。要は、ガスケット作るのと切るのとどちらが簡単かということだ。
    適当な素材があれば5mm厚のガスケットもそう手間はかからない気もするし、他に細工がいらないところが利点だが、よく確認しないと背の高さが高くなりすぎるかもしれない。それでなくとも狭いところに入っているキャブだ。ガスケットがなくてもこれだけのチョークユニットをつければ脱着が困難になるはず。
 それと、
    1.  チョークチャンバーに2つ穴があってフロート室などから大気圧を取っている。この穴からなにか出入りしてもイヤだから、できればダイアフラムは保護膜として残したい。=5mm(実効3mm弱)増える
    2.  部品の切った貼ったは簡単にすませたい。
    3.  加工する部品はやり直しのリスクを考えて安いにこしたことはないが、欠品部品を加工するわけにはいかない。
    4.  オートチョークの伸縮は温度によるアナログ変化だから、最終的には緩衝エリアを確保したい。
    などをいろいろ考えて。結局は細工が簡単な方法を選んだ。

 要するに、ロッドの部分10mmを全部カットする。ロッドの下、可動部分のベースはカラー3mmの面を挟んで約2.5mmを上下する。ここで直接、下側のダイアフラムの上部金具を上下させると、約1mm足りない。ただし、この1mmは足りなくてもチョーク穴をほとんど塞いでいる。
 ここに1mm強のスポンジシート(? 耐ガソリン性の?)でも探してきて入れれば緩衝エリアにもなるはず。という目算だが........
  
 そういえば、もうひとつ。電源の問題がある。
 チョークである。スイッチオンから一定時間でチョークが切れる。つまり、普通の電源ラインにつなぐと、スイッチオンしたまま5分経てば、エンジンがかかっていようがいまいがチョークはオフになる。
 できれば、エンジンがかかってから電圧のかかるところにつなぎたい。普通はレギュレータ付近、ジェネレータに直結すればいいらしい。このユニット、電気は熱源として使っているだけだから、多少の効率の問題以外には交流でも構わない。
 しかし、トレーシーにはそういう線がないのだ。FZなら、ジェネレータ線にダイオードをかませれば作れることが分った。しかし、CZでは同じやり方では作れない。おそらく、スイッチオフ時にキーイルミネーションを作動できる配線になっているからという理由でバッテリーとジェネレータの位置関係が特殊なのだ!
 レギュレータの出力線をカットして、そこにダイオードを入れればいいのだが、少なくともオートチョークが使えるとわかるまでは、そんなメインのラインを切りたくない。

 まぁ、「そういうものだ」と注意しながら使うということで、メインスイッチでオンオフされる普通の線から電源を取ろう。

 あ......
  
 で、ロッドをカットする。
 と、下から金属の棒の頭が見えた。
 「ふ〜ん。ロッドの下までは芯が入っているのか」。
 カットしたところまでは芯が入っていなかった。カット面を平らにならす........と

 パキッと音がしてカラーが飛んだ。
 え? どこだ? 部屋の中を探すがみつからない。
 しばらく探してあきらめて、何かでカラー部分を作ろうかとチョ−クを見る。
 どういう風に作ればいいんだ?........ 構造を見ていくと、スプリングが見える。このスプリングはロッドを押し戻すように内部へ向かってテンションがかかっている。
 なんで、カラーが飛んでっちゃうような方向にテンションがかかってたんだろう??
 考えていると、スプリングで押し込まれたパーツが、飛んでいったと思っていたカラーであるらしいことに気がついた。
 一瞬で消えたから飛び出したと思ったのだ。おまけにかすかにどこかに何かが落ちた音がしたんだが、そちらは平らにするために削った小片だったのだろう。
    落ち込んだカラーを引き上げるには???????
 かなりのテンションがかかっているらしい。上がってこない。

 金属棒なしで電源をつないで見る。熱くなってくるがカラーは上がってこない。
 いじっているうちに金属棒は抜けた。
 え? そういう構造なんだ。
 あぁやって   ダメ
 こうやって   ダメ.............
    不貞寝して...............  数日後.....

 結局、壊れてる...... ダメ元、ということで全バラ......

 へぇ? そういう構造なんだ。
 なんだかボタン電池みたいな、プラスチックみたいなものが発熱体らしい。これを電極で挟む。その下に、金属のユニットがあって、その中に何かが入っていて先端の金属棒が押し出されてくる。
 結局、穴の開いたところに金属片を入れて、ロッドが止まるようにして元に戻す.......
    何とか直った......らしい。
 電源につないで見ると、元の狙い通り「ロッド」部分なしという構造で約5mmほど出入りする。

 で、もうめんどくさいからそのまま着ける。
 補修のために可動部分の最低高が増えているので、挟みたかったゴムも入れないでちょうどくらいの寸法になっている。
 この状態で可動部はカラーより1.65mm低いところから、2.85mm高いところまで動く。と、カラーを含めてもっとも延びるところが約6mmで、すでに上の図の想定値になってしまうからこのまま着ける。
    



  


 まだまだ??........... 「45」