FZ Repair Diary 2 The Index of FZ Repair HOME
 3KSから3GMへ

 4/30「おやじキャンプ」でエンジンが大量に煙を吐いた。修理代、高そう。

 なら、いっそ、前からたくらんでいた通り、エンジン載せ替えちゃおうか。タイミングよく個人売買で3GMエンジンを見つけてしまった。友達を巻き込んで素人換装をはじめた。


 5/21 エンジンはボルトオン。なんにもしないでついてしまった。
 3KSのピックアップはFZR750以降のエンジンなのでデジタルシングルピックアップだ。イグナイタも3KSのものを使って問題なさそう

 3番だけみごとにえぐれてる
クリックで大きくなるよ

 オイルライン
 まず、みつかった問題はオイルライン。
 オイルクーラはつけてあったので、容量に不安は残るもののラインの取り回しだけのはずだった。
 ところが、3GMのオイルラインの取り出し側(左)がFZのサブフレームの真裏にくる。さらに、3GMのオイル取り出し口はネジ止めバンジョーで市販のバンジョーボルトが使えない。しかたなくFZR400用のバンジョーキットを買ってきたが、背が高くてやはり入らない。結局、最初からついていた3GMの取り出し口を加工(切って曲げた)してオイルホースにつないだ。
 右側もかすかにサブフレームと干渉するため取り付けボルトの頭をヤスリで削った。
 ちなみに、すでに着けていたオイルクーラのパイプラインはテフロンチューブを使ってあったため、3GMの純正パイプとつなげるようゴム製のラインに交換。あわせてバンジョーも買うはめになった。無駄な金と手間をかけて、完成。
 サイドスタンドスイッチはオイルドレンボルトの真正面にくるため撤去した。

 ウォータライン
 FZOCなどでエンジン換装の記事がいくつか見られたので、サーモスタットがタンクと干渉することがわかっていた。1000ccにして巡航距離が縮みそうなのにタンクをたたいて容量を減らすのがイヤというオーナーのわがままで、FZのサーモスタットを使った。このため、エンジン背面に回っていたウォータラインをFZのパイプを使って上面まわりにする。FZのパイプは取り付けネジ穴が若干ずれていたので、3GMの取り付けボルトとあわせるため穴あけ、ヤスリで調整。ウォータポンプ付近は、さびが回っていて3GMと3KSの部品のどっちをどこまで使うかを実際に取り回ししながらあれこれ悩んでつけた。ここまでは大した加工はいらない。エンジン回りのウォータラインのレイアウトは同じなので、3KSの取り回しも、上に書いたパイプの取り付けボルト間隔(インシュレータと友締め)の加工以外は問題なくつく。
 しかし、後で、判明するのだが、ウォータラインを上回しにした結果、3GMのキャブとシリンダインテークの間のクリアランスが3KS以上にシビアだったため、キャブが乗らない。インテーク間を通り抜けるパイプをたたいてへこませて装着。

 チェーンライン
 エンジンは乗った。チェーンラインは8mmずれている。仕入れてあった換装経験情報ではなんとかなるはずだった。5mmくらいのオフセットスプロケを探し、ドリブンに3mm程度のカラーをつける。予定だった。
 が、3KSは1FMと同じスイングアームを使っている。Rタイヤは1FMの130/80から140/70に変わってホイールも変わっている。ノーマル状態で、スイングアームとドリブンの固定ナットのクリアランスが5mmしかない。3mmオフセットしたら3mm厚のナットすら入らない。それでもいいや、という安直なオーナに批判が集中する。
 FZをいろいろカスタマイズしている人に話を聞くことができたのだが、その人はノーマルのスイングアームの時には、スタッドを抜いて変わりに頭の高さが3mmのボルトを入れていたという。今は3GMのスイングアームに換えているらしい。
 ドライブ側に5mmのオフセットスプロケを探した。が、3GMのエンジンはドライブシャフトに8mm高、直径50mmくらいのカラーのようなものが入っている。このカラーを避けてエンジン側にマイナス5mmオフセットできるスプロケなんかない。
 換装情報は、2GHだったり、3GM+スイングアーム交換だったので、誤算が生じた。結局、タイヤも160/60になることだし、と2GHのスイングアームを探してくることになった。
 これらのオフセット値は、エンジン取り付け面から、スプロケ取り付け面までの距離を3KSと3GMで実測比較し、算出した。ドリブン側はホイールセンタからドリブン取り付け面までの距離を実測した。実測の結果、スイングアームを変えても、まだ2mmずれていたためドリブン側の取り付け面に2mmのワッシャーを入れてある。
 手に入れたスイングアームにはリンクアームがついていなかったので、3KSのリンクアームを使ったところ、まったくカラーなど入れないですんでいる。たれ角も調整前で約6度。サスセッティングをしてから再考の必要があるが、今のところ不都合は見られない。

 マフラー
 手に入れたエンジンにはマフラーがなかった。純正マフラーにはEXUPがついている。メインハーネスを交換しないとEXUPはつかない(と思い込んでいた)から、社外品のフルエキゾーストを探すことにする。
 といっても、EXUPエンジンにつくフルエグゾーストのマフラーは少ない。なんでもいいけど、早く仕上げたいというところで、中古は見つからず、アクラポビッチを注文する。
 もちろん、これは3GM用である。エンジンの積載角度35度用のマフラーである。前傾角45度のFZにはつかない。むりやりつけると、レーシングスタンド上で最低地上高5cm、テールはウインカの真後ろになる。ステンの切り貼りはプロに依頼する。お店の都合もあり、約2週間かかって加工が完了した。それでも最低地上高は9cmあるかないかである。
 8/6 でも、ともかく着いた。キャブのセッティングを出して3ヶ月ぶりに走り出す。
 最初のうちは、3ヶ月ぶりの興奮と1000ccのパワーでおもしろかったが、街乗りの回数が増えるうちに、4000rpm前後の落ち込みが実用にならないほどに感じ始めた。マフラーもいきなり地面のギャップを踏んでこすった。最低地上高はフォークスプリングのオーバホールをした関係で、イニシャルが最弱だったから、こちらでの加減の方法もないではないが、アンダーカウルをつけるのにもマフラーの出っ張りは邪魔だ。
 それでも、アクラポビッチでセッティングが出ないものかと、1FMのセッティングでうわさの出ていた「ばくだんキット」のケンソーに行ってみた。結果は「EXUPはあのエンジンの一部なんで、EXUPなしで谷を解消することはできない」といわれた。DynoJetのドクスダにも行ったが同じことを言われた。
 EXUPサーボモータ、メインハーネス、イグナイタは3GMのものを持っているからEXUP本体を探し出してくるしかないか??
 マフラー取り寄せに1週間。届いたマフラーが着かないので返送して1週間。マフラーの加工待ちで2週間。とんでもない状態だったFフォークのオーバホールも平行でやって3週間近く。土日だけの作業とはいえ、部品探し、やり直しも含めて3ヶ月もかかってしまった。



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