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   増槽
     10年来のつきあいがある相手から飲み会の招待が来た。
 このページをチェックしているのか、手に入れて一月あまりのCZ150Rで東北まで来いと言う。

 行ってやろうじゃないか、とは思うが巡航距離100kmでは全SAに停まっても心許ない。庭に転がっていたガソリン携行缶を荷台にくくりつけた。
 が、ガソリンを満タンにしてみるとサイドスタンドでは立たない。重心が上に来すぎているのだ。

    「長距離巡航装備」なんてはしゃいでいたのだが......

 ドラマはいつも雨の中......
     当日は雨の特異日。どうせ降られるとは思ったが、寝坊して起きてみると朝から雨。
 集合地点に電話して、とにかく行くからと伝えて家を出る。
 7時近くに走り出して首都高に乗ったのが7時38分。すでに出た連中にCZで追いつくあてはないが、ひたすら走る。

 高速に乗る前あたりからエンジンが咳き込むような不調がある。昨日はなかったのに、4〜6000rpmのどこかで吹けきらない。荷物が重いからとも考えにくい。

 首都高ハープ橋のあたりで大渋滞。
 誰か事故ってないよなぁ、と心配しながら車を縫っていくと、ブレーキングとともにフロントの挙動が落ち着かない。リアが重すぎるんだな。増槽に給油するにしても半分までが賢いかな? 早めに使い切って身軽になりたいもんだ。
 渋滞の原因は、ガラス片の散乱を公団が清掃中だった。トラックの積み荷のようだ。
 なんてぇときをすごしながら、ほぼ50km走って浦和料金所に到着。
 いよいよ東北道だぁ.......

     空いてるゲートへ進入。
 発券機まで30m 速度は40km/hちょいか? ブレーキング......

 グシャ!        がしゃこん!!   ?????

 ?? 直線で減速しただけなのに? 一瞬でスリップダウン。
 高すぎる重心 雨の路面 直線だという安心感にドラムブレーキの感触を読み誤ったのか? 料金所手前でオイルかゴミでもあったのか?
 目前をCZが滑っていく。

 後続車がいなくてよかった。ともかくバイクを起こしに駆け寄る。
 バイクをつかむと強打した右肩が痛む。一瞬で、バイクから身体が離れる間もなく地面に打ちつけられたらしい。

 鬼門の浦和料金所

 起こしたバイクに寄りかかりながら対策を考える。

 CZのエンジンは再始動できた。外装の傷以外は大きな損傷はないらしい。

 身体は? 右肩が痛い。コケた直後だからしょうがないか。頬にも擦り傷?

 鬼門の浦和料金所。ここにとどまってもなんにもならない。とりあえずSAまで移動して2次対策を考えるか。

 走りながら、バイクの様子を探る。
 発進、減速は大丈夫らしい。速度は100km/hまでは異常ない。ハンドルも曲がってないらしい。
 ん? 頬が濡れてきた。出血?! 傷は意外と深いか?

 蓮田SAでトイレに駆け込んで頬の傷を手当てする。
 自分で使うなんて思ってもみずに10年近く携行している特大バンドエイドをカットして出血を抑えた。
 バイクは? なんとかなる。
 傷は? 頬はなんとか。膝をすりむいているらしい。まぁ、しょうがない。
 肩は? 自分で右腕を上げようとすると痛んで上がらない。左手で上げてやると痛まない。骨か?筋肉か?

 とりあえず走るしかない。

 走り出すと雨がひどくなってきた。それまでなんとかなっていた簡易防水の装備が濡れてくる。
 身体と車体と相談しながら北を目指し続ける。
 10時32分 那須高原SAに着く。
 案内窓口のあたりにいるとカッパとヘルメットの人が近づいてくる。
 あ、A番さんだ。幹事にいつ着くかわからないけどともかく走ってると伝言を頼む。
 外に出て体調チェック。身体が震えて止まらないのは寒いのか、ショックか? ショックだとすれば骨折のサインだなぁ。
 自分で動かすと痛いけど、外部から動かされると痛くないんだから骨格は大丈夫と思うことにする。
 ふと見ると、あそこにいるバイクはG番さんか? 蓮田にもいたじゃん。
 ぐらついていた右ミラーをスタンドで締めてもらって再び走りだす。

 異音
     走っている分には問題なさそう。
 ただ、ガマンルートのつもりだったのは、このまま高速を行った方が正解だろうな。
 雨の降り続ける中80km/hで走るトラックをパイロットにしたり、これじゃいかんと抜いてみたりしながら「これよりみちのく」ラインを越える。
 やっと1/3だぁぁぁ(T_T)

 郡山JCTを越えたあたりから妙な音がし出した。
 ?? 回転音? ホイル回り?

 音が大きくなり始めた。チャンバー回り? 路肩にバイクを寄せる。待避所はない。
 このまま停めるか?
 SAとその手前のICの看板が出てきた。降りるか? SAで点検か?
 IC手前の路肩に停めて、とりあえず状況を確認する。
 車体下部をのぞき込もうとすると肩が痛む。
 昨日、あんなに強く締めたはずなのに、チャンバー取り付けボルトが抜けている。ボルトが脱落しているから、8mmボルトを調達しなければ修理にならない。
     ともかく降りることにする。
 降りてバイク屋を探すがない(南に行った方が近かった)。まだ北に向かいながら修理できそうなところを探す。バイパスをしばらく走って店がないので、看板の出た二本松市街へ回る。
 市街でもなかなかみつからなかったが、だいぶ走ったところで古そうなHONDAの看板を見つけた。
 バイクを取り回すのもおっくうになっているところをUターン。気力で降りて、店に入る。
 誰もいない。12時5分 昼休みか?

 人気のない店内だが、XJRとかSuperFourとかが修理中の様子だ。他を探そうかとも思ったが、雨と体調を考えて、少し待ってみることにした。
 30分近く経った頃、2階から外階段を下りてくる気配がして店主が出てきた。
 状況を説明する。
     修理が始まるのを見届けて、右手を動かさずに苦労してジャケットを脱いだが、すでにずぶ濡れの衣類は着替えないとカッパを着る意味がない。
 当然、修理は15分とかからずに終わったが、断ってもう少し休憩させてもらう。

 右腕、右膝が損傷していて、上も下も着替えるのは難儀だ。まして、店頭においておや。
     相変わらず、意識して止めない限り身体は震えている。右に左に重心を移動してもどちらかが震える。
 寒い。寒いせいなのか、ショック症状か。
 ジャケットを脱いだ右肩はかなり腫れている。
 シャツとTシャツを脱がないと肌が見えないので色までは確認できない。脱いでしまったら、着ることができなそうだ。

 しばらくすると、店主が病院行ったら?と声をかけてきた。
 わかりやすい病院の場所を教わってスタートする。

     ダメだな... ともかく、現地にいるはずの留守電に途中で帰ると伝言を入れた。

Gパンのポケットを突き破った
かわいいドライバ
 走る
     さて、やっと進路は南に向いた。
 高速の方が楽か?
 増槽も機能しなくなってる状況で、ガス欠になったら悲惨だぞ。この身体でバイクは押せないぞ。
 時間も何も気にせず帰ればいいんだから、行けるところまで下道で行こう。
 南に転進したのが13時半。スタートしてから300km地点。
 
     ともかく走る。
 よほど広い路肩でないと、信号待ちでもトラックの前に回る気も起きない。
 栃木県。距離的に黒磯付近で給油が必要だ。ずぶ濡れで休憩する場所もない。16時 400km地点。ホームセンターを見つけて駐車場で休憩。隣のスタンドで給油してまた走り出す。
 高速の方が楽か?
 高速の方が楽か?
 さぁ?

 ともかく走る。
 路面の不整が肩に響く。
 普段なら抜けるクルマも条件がよくなければ抜かない。
 ともかく走る。
 宇都宮、小山、古河。埼玉だぁ。利根川を渡る。
 ガソリンはどこまで保つのか?ともかく走る。
 都市部を抜けるたびに渋滞にはまる時間になった。
 栗橋、春日部、越谷、草加、竹の塚。...あ、足立区だぁ。環七が見えたぁ。
 530km地点でもガソリンは保った。クリップ位置上げて燃費がよくなってるんだろうなぁ。
 20時40分 帰り着いた。倒れた。やっと服を脱いだ。シャワー浴びた。
 病院に強制連行されたら、ヒビ入ってると診断された。
 でも、固定する場所でもないから、と三角巾と痛み止めを渡されて帰された。
     結局、猫治療(治るまで暗いとこでじっとしている)になった。やっぱ病院行かなくても同じじゃん。





 本日の走行距離:546km/13.5時間   (受傷後:480km強/12時間  高速&休憩含む)
 燃費:不明 (最終区間:127km/6l 約21)